MeteorJSとReactを勉強してみる その6: iOSとAndroidでアプリを動かしてみよう【公式翻訳】
MeteorJSを勉強してみるシリーズ第六弾です。
作りたいサービスのイメージがある人はテンションが上がるのではないでしょうか。
ただ、現状(1.6系)のWindows版のMeteorではモバイル向けのビルドには対応していません。 残念ですが、Windowsの人は別のフレームワークを選ぶか、別途環境を用意しましょう。
- iOSとAndroidでアプリを動かす
- iOSシミュレーターで動かす (Mac限定)
- Androidエミュレータで動かす
- Androidの実機で動かす
- iPhoneかiPadで動かす (Mac限定、Apple developer accoutが必要)
iOSとAndroidでアプリを動かす
ここまでではブラウザのみでアプリを立ち上げ、テストしてきました。 しかしMeteorはその他のプラットフォームでも動くように作られています。 つまり、作成中のTodoリストが多少のコマンドでiOS・Androidアプリになってしまうのです。
Meteorではスマホアプリを立ち上げるのに必要な設定が簡単にできるようになっていますが、全てのソースをダウンロードするのにはしばらく時間がかかります。 Android用のソースはおよそ300MB、そしてiOS用には2GBほどのXcodeをインストールする必要があります。 これらのインストールが面倒だという方は、一旦このステップを飛ばしても結構です。
iOSシミュレーターで動かす (Mac限定)
もしMacをお持ちであれば、アプリをiOSシミュレーターで動かすことができます。
ターミナルでアプリケーションのフォルダに行き、下記のコマンドを打ってください。
meteor install-sdk ios
このコマンドで、プロジェクトソースからiOSアプリを立ち上げるのに必要な設定が行うことができます。
訳者注:
上記コマンドを打つと、下記が表示されます。
Please follow the installation instructions in the mobile guide: http://guide.meteor.com/mobile.html#installing-prerequisites
結局はここを読んで自分でコマンドを打つ必要があるんですね笑
せっかくなので、ここで全て解説しておきます。
まずは下記コマンドを打って、表示される選択肢からGet Xcode
を選びましょう。
meteor add-platform ios
そうするとApp StoreのXcodeの画面が表示されるので、そのままインストールします。
インストールには時間がかかりますので、しばらくコーヒーでも淹れながら待ちましょう。
完了したら下記をターミナルで打ちます。
sudo xcodebuild -license accept
これでXcodeのライセンス条項に同意したことになります。
基本的には上記で設定は完了です。
完了したら、下記のコマンドを打ちましょう。
meteor add-platform ios meteor run ios
iOSシミュレーターが立ち上がり、アプリが中で動いているのが確認できるはずです。
訳者注: もし上記で立ち上がらなかった場合は、一旦Xcodeのアプリケーションそのものを開いてみてください。 Macのファインダーからアプリケーションフォルダの中を探しましょう。
開いたら、人によってはXcodeの機能をフルで利用するための追加インストールを行うか、というインフォメーションが表示されると思いますので、Install
を選びましょう。
僕の場合はこれで立ち上がるようになりました。
初回立ち上げの際には、シミュレータの立ち上げにもそこそこ時間がかかります。 気長に待ちましょう。
Androidエミュレータで動かす
ターミナルでアプリケーションのフォルダに行き、下記を打ってください。
meteor install-sdk android
訳者注: このコマンドも、iOS同様にリンクを表示するだけです。
Please follow the installation instructions in the mobile guide: http://guide.meteor.com/mobile.html#installing-prerequisites
リンク先は同じなので、別途開かなくてOKです。
個人的にAndroid向けのセットアップはかなり苦労しました。 おそらく環境により詰まった際の取るべき対応はことなるのですが、ここではサラッと僕が何をやったかだけ流します。
ドキュメントに従うなら、下記を行えば立ち上げまで行けるはず。
- Java Development Kit(JDK)をインストール
- Android SDKとその他必要なツールをインストール (Android Studioで一括インストールするのが吉)
- パスに
ANDROID_HOME
とその他ツールのディレクトリを設定 - Android Virtual Device(AVD)をエミュレータ用に作成
意味わかりませんか? 大丈夫、僕も分かりません。
上から進めていきましょう。
Java Development Kit(JDK)をインストール
Oracle Java Websiteに行き、Java Development Kitを選択してダウンロードします。
この時、自分の環境(MacなのかWinなのか)に適したJDKをダウンロードするよう注意しましょう。 まあそもそもMeteorがWindows向けのアプリビルドに対応してないので殆どの人はMac版をインストールすると思います。
ダウンロードしたzipを解凍し、表示されたアイコンをダブルクリックしたら後はインストーラの指示に従っていきましょう。
Android SDKとその他必要なツールをインストール
Androidの立ち上げには色々必要みたいです。
There is no need to use Android Studio if you prefer a stand-alone install. Just make sure you install the most recent versions of the Android SDK Tools and download the required additional packages yourself using the Android SDK Manager.
Meteor公式にはこんなこと書いてありますが、特に初心者が実行するのは至難の業だと思いますので、ここは素直にAndroid Studioをインストールしましょう。
Android Studioのインストール手順は基本的にインストーラに従うだけですが、不安な人はAndroid Studioの公式サポートの動画をチェックしましょう。 僕は見ても意味ないと思います。
さて、Meteor公式には「正しいバージョンのAndroid SDK Tools」をインストールするよう但し書きがあります。 具体的には
- Meteor 1.4.3.1以降のバージョンの場合、25.2.xか26.0.0以降のAndroid SDK Tools(mac, linux)をインストールすること
- バージョン25.3.0のSDK Toolsでは動かない
- Meteor 1.4.2以前のバージョンの場合、23系のSDK Tools(mac, linux)をインストールすること
と言われても、Android Studioをインストールする時に「Android SDK Tools」のバージョン選択画面なんかありません。
ただ、途中の画面でインストールするパッケージの内容を見ることはできます。 そこでAndroid SDK Toolsのバージョンを確認して、上記に合致しない場合はエラーが出る可能性があります。
バージョンが違ったら、上記のmacとかlinuxとかのリンクから、適するバージョンのSDK Toolsをダウンロードしてください。
その上で、~/Library/Android/sdk/
にあるtools/
の中身を、ダウンロードしたSDK Toolsの中身と置き換えます。
置き換える際には下記のコマンドを打ちましょう。
cd ~/Library/Android/sdk/tools/ rm * cp ~/Downloads/tools/* ~/Library/Android/sdk/tools/
パスにANDROID_HOME
とその他ツールのディレクトリを設定
~/.bash_profile
を開き、下記を追加してください。
(zshの場合は~/.zshrc
)
# Android export ANDROID_HOME="$HOME/Library/Android/sdk" export PATH=$PATH:$ANDROID_HOME/tools:$ANDROID_HOME/platform-tools
書き込み終わったら、下記のコマンドで読み込む.bash_profile
を更新します。
source ~/.bash_profile
Android Virtual Device(AVD)をエミュレータ用に作成
この過程はMeteor公式だとオプションのように書いてるのですが、どうやら必須な気がしています。
実際にAVDを作成するには、まずAndroid Studioを立ち上げ、Start a new Android Studio Project
から新規プロジェクトを立ち上げましょう。
設定はデフォルトのままで良いです。
ただ、Activityの設定画面ではAdd No Activity
を選択しておいたほうがプロジェクトの作成待ち時間が少ない気がします。
立ち上がったら、画面上のアイコンでスマホっぽい形をしたものを探して、マウスオンしてください。
「AVD Manager」と表示されたらビンゴです。
クリックして、Create Virtual Device
を選択しましょう。
あとはエミュレータで立ち上げたい機種を選択し、どのAndroid OSを利用するか選択します。
僕は機種にPixel 2、OSはNugat(API level: 25)を選択しました。 OSのバージョンについては、多分インストールしてあるMeteorのバージョンによって適切なものが変わります。
gradleのパーミッションを書き換える (必要に応じて)
もはやここまで来ると、僕をはじめとして普段Androidを触らない人はよく分かんないのではと思うのですが、 何やらAndroid StudioのバージョンによってはgradleというJavaのビルドシステムのファイルを読み書きする際のパーミッションが書き換わってしまうようです。
ここで引っかかってる人は全世界にたくさんいるようなので、幸いWebにはソリューションがそこらに落ちてます。
もしmeteor run android
でError: spawn EACCESのようなエラーが出た場合、これを疑ってください。
僕の場合は、下記コマンドで解決しました。
※ gradle-x.y
の部分は、インストールされているgradleにより異なります。ご自分で確認してくださいね。
chmod +x /Applications/Android\ Studio.app/Contents/gradle/gradle-4.1/bin/gradle
これでgradleのパーミッションを書き換えることができます。
必要と思われる設定は以上です。
僕は色々調べながらトライアンドエラーしてたらいつの間にか朝の7時になってました。 まあ気長にやるか、一旦飛ばしてしまっても良い気がします笑
これでAndroidアプリを立ち上げる準備ができます。 完了したら、下記のコマンドを打ちましょう。
meteor add-platform android
ターミナルでライセンス条項に同意したら、下記の通りにコマンドを打ってください。
meteor run android
しばらく初期化処理が走った後、Androidエミュレータが立ち上がり、ネイティブAndroid環境でアプリが動くでしょう。 エミュレータの挙動はそこそこ遅いので、実際にアプリとして使った感じを試したければ、実機でアプリを動かす必要があります。
Androidの実機で動かす
まずは上記のAndroid向けステップを全て完了させましょう。 そうしたら、お持ちの実機でUSBデバッグが可能な状態にあることを確認し、デバイスをUSBでパソコンに繋ぎましょう。
また、デバイス上で動かす前にAndroidエミュレーターを止めておくことをお忘れなきように。
その上で、下記のコマンドを打ちましょう。
meteor run android-device
これでアプリが立ち上がり、デバイスにインストールされます。
iPhoneかiPadで動かす (Mac限定、Apple developer accoutが必要)
Apple developer accountをお持ちなら、iOSの実機でもアプリを動かせます。 下記のコマンドを打ってください。
meteor run ios-device
これであなたのiOSアプリのプロジェクトがXcodeで立ち上がります。 Xcodeでは、Xcodeがサポートするデバイスならどれでもアプリを立ち上げることができます。
これで、Meteorでスマホアプリを立ち上げることがいかに簡単か分かりましたね。
次回以降ではさらにアプリに機能を追加していきましょう。
無事にシミュレーターを立ち上げられたでしょうか? 苦労した人もいると思いますが、それにしても割りと簡単にアプリの立ち上げまで行ける方だと思います。
よくわからない中でも、頑張って調べた経験はきっとどこかで活きるので、時間のある方は是非スマホアプリでの立ち上げにも挑戦してみてください。
第七弾は今日明日で投稿します。